山頂で会いましょう

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幕山(神奈川県)、高尾山(東京都)


2020年のゴールデンウィーク。青山は例年、ゴールデンウィーク中の登山を避けてきました。もちろん人で混んでいるからです。でも今年は特別。例のコロナウイルスの影響により「非常事態宣言」が出され、外出自粛が叫ばれていました。もちろん青山は自粛などしません。毎週山へ行くつもりです。ただし、低山ですが。それはともかく、この大型連休中に誰も家から出ないなんて。この世も終わりといった感じです。各山岳団体は、登山の自粛を呼び掛けていました。まあ、当然でしょう。逆にありがたいことです。普段開いている茶屋(休憩処)や山小屋は営業中止。人が来ないため救助体制もどれだけ整えられるか不明です。つまり何かあったら大変ことになる。山に行くならその覚悟で。ということです。これを余計なお世話と思ってはいけません。山では”余計なお世話”などあり得ないのです。いかなる人の忠告にも素直に感謝すべきです。これが登山の基本です。
しかし、(もちろんアルプスではなく、ハイキングのできる近郊の低山ですが) 自分のペースで登る分には運動にもなるし、メンタル面でも有益です。家でじっとしているよりも遥かに健康的と言えるでしょう。そもそも登山はどんなスポーツよりも自己管理、リスク管理が求められるのです。青山にとって登山は単なるレジャーではありません。どんな低い山であっても自己管理、リスク管理ができない人は山に登ることはできません。当然山に行く前に最新の情報を収集し、危険度を分析した上で行くか行かないかを決断するわけですから。ただし、大勢で登る団体登山は控えた方が良いと思います。感染の危険がありますから。青山は昔から単独登山専門ですが。そして駅などのトイレを使用する際の注意。必ず手洗いを念入りにするように。

2020年5月2日土曜日
毎度の低山シリーズ。今までに何度も登っている神奈川県の「幕山」です。
JR湯河原駅下車。人影まばらです。普段は旅行客でにぎわう温泉街。しかもゴールデンウィークですよ。寂しいです。何とも悲しくなりますね。一日も早く活気が戻ればいいですね。
本日は雲一つない登山日和です。いつものように登山口のある幕山公園まで歩き。遠い。一時間も掛かりました。途中でバスに抜かれる。本数は少ないですがバスは動いていました。公園の駐車場は例の自粛のために休止中。ロープが張られていました。登山口から急坂を登る。晴天、気温は上昇、汗だくだくです。真夏の陽気。途中の東屋で休憩を取りました。その後もジグザグの道を進む。ようやく頂上。ここまででほぼ1時間。コースタイム並みです。昔は40分ほどで登りました。上りでは人とは出会いませんでした。
山頂には登山者が一人いて、南郷山の方から来て公園の方に下りる感じです。下りの時間を聞かれました。水分補給をしてから下山。今回は16年前に初めて登った時と同じコース。大石平経由でまた幕山公園に戻るルートを辿ります。もうずいぶん昔の話ですが、最初はこんな低山でもきつかった。何度も休憩を取りやっと登ったように記憶しています。それ以前、今から30年以上昔、初めてこの幕山に訪れたときはあまりの暑さのためジュースを飲み干し、水分切れのためあえなく途中撤退しました。ここ幕山は夏の暑さは半端ない。幕山公園からのジグザグの上りがきつい。低山ですから遭難の可能性は低いですが、登りごたえはあります。「山はきつい」ことを教える上で、登山まったくの初心者を連れてくるにはいいかも。
下山道は南郷山方面へ下る道を進み、途中大石平への標識に従い左に入って、林の中の道を下ります。一部作業道らしい分岐があるので、迷い込まないように注意。両側から草が倒れていたら登山道ではない可能性あり。木にまかれたテープに従い道を確認しましょう。しばらく進むと沢と交差。下山中に涸れた沢に出会ったら、沢の方に下りないように注意。沢なのか登山道なのかは、足下の石ころの大きさで判断。石や岩がごろごろしていたら登山道ではありません。やがて林道に出ます。少し下ると大石平です。山の神を経由して、幕山公園に到着しました。
ここまでに出会った人は10数名。その人数から推測して全山に今時点でいる人数は20人ほどかもしれません。公園から駅までのいい時間帯のバスがなかったことから、いつもの通り駅まで歩きました。よほど暑かった精か、1.5リットルのペットボトルがほぼ空に。

2020年5月3日日曜日でかつ祝日
幕山に登った翌日です。日本一登山者数が多い東京の高尾山に向かいました。このゴールデンウィーク中、どれだけの人が訪れているか?視察も兼ねて出掛けました。ただし、ケーブカルカーやリフト、途中の売店などは営業休止。情報は事前に取集して知っていました。ただ、一般の山は登山口から山頂まで何もないのが普通です。ベンチくらいはあるかも?トイレもありません。もちろん山域が広いアルプスには山小屋などありますが、高尾山や富士山は例外中の例外なのです。
京王線高尾山口駅下車。ここは本当にハイカーのための駅です。数名の登山者らしき人が降りていきました。駅前も人はまばらです。でもまったくいないわけではありません。何しろゴールデンウィークですから。数人の登山者に交じって登山口へ。高尾山には多数の登山道がありますが、今回は6号路から登りました。6号路は沢道で歩きにくい。1号路がメジャーコースですが上のお寺「薬王院」が通行止めで、山頂へ抜けられるか心配のため(もちろん迂回路はある)、今日は6号路を選びました。川に沿って進むと、途中に琵琶滝があります。行者の修行用の滝です。その先いくつか木橋を渡り、ひたすら沢に沿って上ります。(他よりも)道が悪いためか、この6号路を歩いている人は少な目です。途中稲荷山登山道への分岐から、本格的に沢道に入ります。と言ってもほんの小さな沢ですが。少し進むと、右から柵のついた歩きやすい登山道が現れました。その先は長い階段で、上り切るとベンチのある休憩場に出ます。そこで初めてペットボトルを飲む。舗装道に出て、坂を上ると山頂です。若干人がいましたが、本来の休日ならこんなものではないと思います。売店などもすべて休業。まあ、これぐらいの人が訪れているのなら、一軒でも開ければ繁盛すると思いますが、なかなか一軒だけ店を開けるなんてできないでしょう。(下にコラムあり)
しばらく休憩。都心と反対方向の展望台から、神奈川県最高峰の蛭ヶ岳が望めました。何となく山が呼んでいるような感じがしました。帰りは尾根道の稲荷山コースで下山。ここは人が多く100人ほどとすれ違いました。そこから推測すると全山には1000人ほどの人が訪れている感じです。

2020年5月2日撮影
写真1 湯河原駅手湯 手だけ浸せる
写真2 幕山全景   
写真3 幕山登山口  
写真4 真鶴半島   
写真5 幕山山頂   
写真6 南郷山への道
写真7 晴天      
写真8 大石平     
写真9 山の神     
写真10湯河原駅   
2020年5月3日撮影
写真11高尾山口駅前
写真12登山口への道
写真136号登山道  
写真14頂上へ直上 
写真15高尾山山頂 
写真16山頂の風景 
写真17展望台より   山は呼んでいる

ムービー1 琵琶滝

「外出自粛」に思う
外出自粛の今、世間では周りと歩調を合わせなければならないという雰囲気が漂っています。お店でも一軒だけ開けるわけにはいきません。本来なら”自粛”なんだから、やるやらないは勝手です。自分で判断すればいいのです。ただし、お店なら組合に入っていることが多い。組合で決めたことはみんなで守らなければならない。一人だけ勝手なことは許されない。当然です。ただし、国や地方自治体は”組合”ではありません。
政府の自粛要請に従わず、外出や営業を続けるのは自由です。ただし、自分のしたことに対する報いを必ず受けるのです。これを”業(ゴウ)”と言います。この業から逃れることはできません。自分の意志で何らかの行為を行えば、必ずその報いを受ける。それがこの世の決りです。ただし、逆に政府の要請に従い外出を自粛した場合も同じように報いを受けます。どのような報いを受けるか、それは分かりません。(もしあなたが政府当局の政策に順じて、人々に外出を控えるように誘導し、それが原因で経済が低迷。貧困者が増大したら、その原因の一端をあなたが担っていることになるのです。)
凡夫が陥る間違いとして、「いいことをすれば、いい結果が得られる」。この”いいこと”って何でしょう?そして”いい結果”とは?こうかもしれません。「一生懸命働けば、金持ちになれる」。もちろんそんなことは嘘でしょう。よく言われる「善因善果」、「悪因悪果」は、善と悪の基準を定めない限り意味がありません。しかも何が善で何が悪か人類共通の基準なんかありません。
それはともかく、今回のウイルス騒ぎについてですが、青山個人としては、ウイルスそのものによる恐怖よりも、自粛による経済停滞から来る悲劇の方が、何百倍あるいはそれ以上に恐ろしいものだと考えています。それは実際街やフィールドに出て、自分の目で様子を確かめてみないと分からないことかもしれません。
つまり、どんな低い山でも、あるいはどれほどの登山者でもリスクはあります。家にじっとしていれば山のリスクはありません。しかし逆に”心のリスク”はあります。どちらがより大きなリスクか、見極めるのは自分自身です。

    
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