山頂で会いましょう

トップへ戻る 登山の記録へ戻る

常念岳(長野県)


北アルプスは構造上、南北に連なる主峰が三つあります。一番西が岐阜県から富山県に至る、笠ケ岳や黒部五郎岳、薬師岳などがある峰の列。 真ん中は調度長野県との県境を走る峰の列。焼岳、穂高、槍など。そしてその東に蝶ケ岳、そして常念岳、燕岳と続く。これらはすべて長野県側にあります。そして今回その常念岳に登りました。10月、北アルプスの常念岳は既に初雪を終えていました。
東京から二泊三日で計画しました。前日深夜に松本に到着して、市内のホテルに泊。翌日JR大糸線で豊科駅下車。駅前でタクシーを頼み、登山口の一ノ沢まで行く。そこから登山開始です。
まず沢沿いを登ります。途中からつづら折りの急坂に出会います。それを乗り切って主尾根に出たところが、常念小屋。今夜の宿です。(青山は大抵の場合、小屋には前もって予約を入れることにしています) ここまてで全く疲れなし。かなり速いペースです。(コースタイムの半分?)
当然、時間があるため、軽身となって(カメラとステッキだけ持って)山頂を目指しました。この山頂までのルートはきつかった。休み休みようやく山頂到達。ここには小さな社がありました。山頂から西方向を眺めると、槍沢を隔てて槍の穂先(槍ケ岳頂上)がよく望めました。東は安曇野の盆地で、下界は厚い雲に覆われていました。この安曇野一帯は地下水から水蒸気が立ち上り、時間帯によっては全面的に雲に覆われることが多いそうです。その厚い雲に山の影が落ちています。見るとその部分に円形の虹の輪が写っていました。これがブロッケン現象(注)です。ここに自分の影が入れば、まさにブロッケンの怪物です。
しばらくして小屋に戻りました。小屋は混んでいました。小屋で行きに乗ったタクシー会社に電話を入れ、明日のタクシーを予約する。何時間で下れるかだいたい計算して、登山口での到着時間を告げました。登山口である一の沢では、携帯が通じないらしい。
夜、就寝前に小屋の外に出て夜空を見上げました。ここでは、都会の夜空とは比べ物にならないくらい多数の星が眺められました。もちろん標高も高く、空気も綺麗であること、そして街の明りから離れていること。真上を見上げると、天の川(銀河)がよく見えます。その大きな光の川の中に筋が通っているのも見えました。これが銀河の真ん中にある暗黒星雲です。ブロッケン現象と天の川の暗黒星雲。滅多に見られないものが見れました。山に多く登っていれば出くわすことです。
翌日はまた一ノ沢まで戻る。登山口では既にタクシーが待っていました。今度は穂高駅まで行ってもらいました。
注:太陽光線が霧の粒子に当って散乱し、影が虹の輪の中に見える光学現象。ドイツのブロッケン山でよく見られることに由来。

写真1 常念小屋    
写真2 常念小屋周辺 
写真3 頂上への道  
写真4 天井岳方向  
写真5 槍ヶ岳の穂先 
写真6 ブロッケン1   
写真7 ブロッケン2   
写真8 常念岳山頂  
写真9 山頂から西側 
写真10山頂から北側 
写真11山頂から東側 
写真12安曇野の雲海1
写真13安曇野の雲海2
写真14常念小屋の朝 5:45頃

    
メール