山頂で会いましょう

トップへ戻る 登山の記録へ戻る

北岳・間ノ岳・農鳥岳(山梨県・長野県)


南アルプスの白根三山は、北岳・間ノ岳・農鳥岳の三つ。いずれも3000メートル級の山です。このうち北岳と間ノ岳の二つは日本百名山です。北岳には2009年8月に既に登っていました。
今回広河原から入って、北岳、間ノ岳、農鳥岳と縦走して、奈良田へ下り、身延に出るコースを計画しました。ここは日本一高い(日本で二番目と四番目に高い山を越える)、登山者憧れの縦走路です。

2012年7月
 甲府から広河原までバス。前回と同じルートで白根御池小屋を目指します。
一度歩いている道は慣れたもの。途中の急坂もなんのその。早々と小屋に到着。夕食までの時間あり、ジュースを飲みながら戸外で過ごす。予報では明日の天気はあまりよくない。
翌日、朝から雨です。構わず出発。途中で雨があがったため、レインウェアを脱いでしまいました。小太郎尾根に上がるとやたら風が強い。雨混じりの風です。霧で視界なし。構わず進みます。肩の小屋通過。再びレインウェアを着込みました。雨に打たれながら岩場を登り、強風の中、北岳山頂到着。
早々に下山。反対側の北岳山荘の方に下りました。この下り、結構急です。北岳山荘に到着。中に入ってジュースを飲みながら休憩。山荘内は風が収まるのを待っている人でいっぱいでした。登山者の一人が言いました。「風が強いため外に出られない」 すると、「このくらいの風なら行きますけどね」と青山。そろそろ出発の時間です。予定では、本日中に農鳥岳を越えて大門沢に下りるつもりですが、ぐずぐずしていたら今日中に小屋に着けません。風の中、間ノ岳に向かいました。青山の帽子にはあご紐があるのですが、それを顎にかけても帽子が飛ばされました。慌てて拾いに行く。北岳山荘で青山よりも先に出たおじさんが途中から戻ってきました。話を聞くと、間ノ岳を下ったところに雪渓があるらしい。アイゼンがないと下るのは無理?当然青山もアイゼンなんか持っていません。もはや間ノ岳の山頂まで行って引き返すしかないでしょう。
間ノ岳山頂到着。ここもすごい風です。青山以外誰もいません。残念ですがここで引き上げました。
途中、北岳山荘の公衆電話から、北岳肩の小屋に電話を入れて、本日の宿泊を予約しました。また北岳を登り返します。もはやバテ気味ですが、何とか山頂を越えて肩の小屋に辿り付けました。(ここ北岳肩の小屋は標高3000メートル) 小屋は案の定満員御礼。夕食にありついてから指定された場所で横になる。一人横幅40センチ。ギュウギュウ詰めの状態です。寝床が混んだ場合は、足と頭を交互に逆にしながら寝ると良いと教えました。つまり頭には隣の人の足がくる感じです。就寝前、小屋は大勢の人でわいわいがやがややかましい。中には酒を飲んで歌を歌い出すグループも。憧れの北岳に登ったからと言って、少々浮かれすぎでは?
翌日は夜明け前に出発。本日は昨日と違って良い天気です。ご来光を待つ人々の間を縫って下山開始。予定のバスに間に合わせるため、足を速めての下山です。途中二股に下るつづら下りの道で、人の頭よりも大きな石が登山道に落ちてきました。当たったら大変です。二股から先、前回来たときよりも雪渓にまだたくさん雪が残っていました。雪渓の上部を歩いて越え、沢沿いの道を進んで、広河原到着。何とか予定のバスに間に合いました。最後の農鳥岳に行けなかったことが悔やまれます。また次回。

2013年9月 三山縦走再度挑戦
 今回天候はよさそうです。同じように白根御池小屋で泊。翌日は大門沢小屋でもう一泊の二泊三日です。
白根御池小屋に到着。そこから大門沢小屋に予約の電話を入れる。今白根御池小屋にいるというと「大丈夫ですか?5時までに着きますか?」と心配されました。計算では5時には小屋に着く予定。ついでに登山道の様子を聞く。雪渓はなし。ただし一昨日の大雨で橋が流された。それは今日修理した。とのこと。予定通り、明日一日で北岳、間ノ岳、農鳥岳を縦走します。
翌日朝5時出発。急登を越え、尾根を進んで、三度北岳山頂到着。ここまでで全く疲れなし。余裕です。時間的にも速いペースです。下って北岳山荘へ。そこでトイレを借りる。
続いて間ノ岳を目指す。山頂到着。前回と違って本日は良い天気です。南の塩見岳が良く見えました。山頂は無人です。間ノ岳を下ったところに雪渓はまったくありませんでした。
農鳥小屋通過。ここの小屋主は有名?らしい。その小屋の前で主らしい人がこちらを見ていました。
西農鳥岳(ここも3000メートル峰)到着。ここまでの登りで少し疲れてきました。ただし、まだ体力的には余力があります。この西農鳥岳から農鳥岳が望めました。向こうはここよりも若干低い。
登り返して農鳥岳に到着。三山制覇です。ここにはたくさんの人がいて写真を撮っていました。
農鳥岳から下山。大門沢への降下点から尾根を外れます。携帯を見ると、電波が届くらしい。後は下る一方。沢に沿って下ります。
大門沢小屋到着。まだ午後2時半を過ぎたところ。予定よりも速いペースでした。小屋では既に中高年の夫婦一組だけが休んでいました。時間が経つにつれて人々が集まってきました。小屋の周りでテントを張る人も。小屋の中に寝床を確保して、食事をした後就寝。
夕刻過ぎ小屋の中が慌ただしい。話を聞くと予約していたお客さん1名が、まだ到着していない模様。どうやら年配の女性らしく、この間ノ岳で百名山達成だとか。そこで遭難?とは。既に辺りは闇の中。ヘッドライトなしには歩けません。運動部のような若者のグループが探しに行こうとしています。就寝している我々に無線機を持っているかと尋ねてきました。青山は無線の資格がありましたが、この日は無線機を持っていませんでした。
青山の記憶:農鳥岳から降下点に向かう道端で休んでいるおばさんを見つけましたが、その方か?
無線機を持って若者たち数人が、小屋から登っていきました。小屋では無線の交信が入る。その内容が小屋内に待機している我々の耳にも聞こえてきました。どうやら見つかったらしい。しばらくして若者たちの一団が戻ってきました。いくら若者でも、疲れているのにまた登り返す。暗闇の中、人を救助しに向かう姿勢は見上げたものです。もし青山だったら、その日は体力的にはまだ余力がありましたから、この若者たちがいなかっら、自分が向かったかもしれません。
ところで、もし単独で道迷いをおかし、山小屋に辿りつく前に日が暮れて真っ暗になったら、あなたならどうしますか?その時は、迷わずビバーグ(野宿)です。(夜の救助などあてにはできない。このおばさんは幸運) それが自分の命を保つ選択であり、極力人に迷惑をかけない方法です。そのための用意(ツェルトやレスキューシートの携帯)は常日頃からしておくこと。青山はもちろん今日までに緊急ビバーグの経験はありませんが。
翌日です。いつものように早々と起床。小屋の受付で、挨拶をして(昨晩の遭難の話はあえて聞かなかった)から出発。本日はひたすら下るだけ。沢の下りで、一部道が不明瞭なところがあり、道誤りだと分かって引き返した以外は、一本道なので迷いません。
沢に架かった丸太とロープでできた橋も、大雨で壊れたところが修理されていました。下の写真(写真31)のような橋です。危なっかしい橋ですが、これなんかまだいい方で、場所によっては丸太一本だけが渡してあるものもあります。
途中登って来る登山者と何人もすれ違う。最後はいくつか吊り橋を渡って、奈良田に到着。ここは温泉地で、こからバスに乗り広河原まで戻ることも出来ますが、青山は身延へ出る予定です。バスの本数もありませんから、ダムの周辺で時間をつぶす。やがて来たマイクロバスに乗り、JR身延駅へ。
なお途中、角瀬ということろで、何人かのお客さんがバスに乗り込んできました。どうやら近くに信仰の山、七面山(注)があるらしい。来年は是非この山を登ろうと思いました。
注:七面山には日蓮宗身延山久遠寺の敬慎院があります。

2012年7月
写真1 間ノ岳山頂      
写真2 間ノ岳三角点    
写真3 北岳山頂       
写真4 北岳山頂の様子  
写真5 北岳肩の小屋    
写真6 肩の小屋テント場  
写真7 肩の小屋から甲斐駒
2013年9月
写真8 肩の小屋から北岳 
写真9 北岳より富士    
写真10北岳より仙丈     
写真11北岳より甲斐駒   
写真12間ノ岳に続く尾根  
写真13北岳を振り返る   
写真14間ノ岳への道    
写真15間ノ岳山頂1    
写真16間ノ岳山頂2    
写真17塩見岳と赤石方面 
写真18北岳と甲斐駒    
写真19間ノ岳を振り返る  
写真20農鳥岳への道    
写真21農鳥から間ノ岳   
写真22農鳥と富士     
写真23西農鳥岳山頂   
写真24農鳥岳山頂     
写真25農鳥岳三角点   
写真26大門沢への下り  
写真27大門沢小屋1    
写真28大門沢小屋2    
写真29大門沢からの下り 
写真30沢沿いの道     
写真31沢に架かった橋  
写真32吊り橋1       
写真33吊り橋2       
写真34吊り橋3       
写真35吊り橋4       
写真36奈良田から稜線  

ムービー1 間ノ岳山頂

    
メール